転職活動をしている人が先ず見るのが転職サイトや転職エージェント会社のホームページではないでしょうか？
でも、転職サイトと転職エージェントの違いを知っていて見てますか？
この2つ、似ているようで中身は全く別物ですよ。
転職サイトと転職エージェントの違い
まず知っていてもらいたいのは、転職サイトはネット上に求人広告を載せているサイトでサポートはありません。
基本的に応募から面接、内定の返事などなど全ての工程は自分でやらなければいけません。一方で転職エージェントは専任の担当者が付きます。条件に合った職場を探すことから面接のサポート、条件のやり取りなどの一連の流れをサポートしながら仲介してくれます。
転職サイトと転職エージェントはどっちが良いの？
転職サイトは掲載されている求人数がとにかく多いです。より多くの情報が見たい、自分のペースで転職を進めたいと思う人には転職サイトが合っているのかも知れません。
転職エージェントは、登録後に求人が見られるようになっている所が多いですね。
ここが1つハードルになるかも知れません。個人情報を入力する事に抵抗がある人も居るでしょうから。
ただし先ほども説明した通り専任の担当者がサポートにつくわけなので、正看護師か准看護師か、保健師や助産師など看護師以外の資格も持っているのか、経験年数や経験部署は？など、求職者のスキルを相手が知る必要もあるのです。
スキルや希望などを聞いて求職者に合った求人を膨大な情報の中から紹介し、必要があれば履歴書の添削や面接のセッティングやサポートまでしてくれるので、転職活動を急いで進めたい人や自分の条件が決まっている人、転職が初めてで進め方が分からない人は転職エージェントに頼むのがスムーズではないでしょうか。
自力で転職する
自力で転職活動するのを悪いとは思いません。既に行きたい職場が決まっていて、ネットに求人広告を出していない病院ならそれもありです。
大学病院など大きな病院は転職サイトなどに求人を載せておらず、中途採用の時期も決まっている場合もあるので、直接病院のホームページを見て募集しているか確認して自分で転職活動を進めなくてはいけない場合もありますからね。
転職エージェントを使うと何が良い？
眉犬先輩的には転職は営業だと思っています。自分をいかに高く売り込むか。この能力を持っている看護師ってどれほど居るでしょうか。
自分の経験や知識、過去の実績などを面接の場で言語化して相手に伝えるってなかなか難しい技術なのですよ。しかも限られた面接の時間内で。
雇ってもらう立場で「私はこんな事に貢献できます。だから基本給を上げて」なんて言いにくいし、自分でハードルを上げるような発言はしませんよね。何より雇用条件は面接の後で出るものです。
いわば面接が終われば自分にはどうしようもないって事です。
眉犬先輩が失敗した原因もここにあると思っています。
自力で転職活動をしたがために、提示された条件がイマイチでも飲むしか無かったのです。
給料や部署に不満があるなら言えばいいと思うかも知れませんが、高い人件費を払ってまで、今すぐ誰かに来て貰わなければ破綻してしまうような人員不足の病院はほぼありませんし、この人がどうしても必要だと思って貰えるほどの事を面接で自己アピールはできないでしょう。要するにどこの誰で、どれほどの仕事がこなせるのかも分からない人間に、会社は高いお給料は払えないと言うことです。ここで自分に代わって職場に自分を売り込んでくれるのがエージェントです。
眉犬先輩は過去にエージェントさんが売り込みをしてくれて、初めに見た募集条件よりも基本給が２万円も上がった経験がありました。
転職を考えているけれど、漠然としていて自分の条件が定まっていない人もいるかもしれませんね。
こんな時、エージェントにリスニングしてもらっている間に問題が抽出されて自分の希望が見える事もあります。
または今の職場で病んでしまって心が穏やかでない転職もあるでしょう。実際に眉犬先輩の知り合いも今の職場がどうしても合わないけれど、自分が辞めたくて悩んでいるのか続けたくて悩んでいるのか分からなくなっていた人も居ました。
一応、良い求人が無いか見てみるだけでもとエージェント会社に登録し、エージェントと話しているうちに、紹介された職場の雰囲気や提示された条件が今より良くなる事を知って転職に踏み切り、今ではあの病んでいた時期はわたしの錯覚だったのかと思うほど元気で活発な性格に戻った人も居ました。
エージェントを通さず失敗した話
眉犬先輩は過去の転職経験のなかでエージェントを通さず自力で転職した経験もあります。
後になって後悔した事例をご紹介します。
まず1件目は知り合いから直接雇用しかやっていないらしいと聞いて自分で応募した事例です。
働いて数年が経ったある日、中途で入ってきた人が居ました。
聞いてみると、転職エージェントに紹介された。と言うではありませんか。とは言え数年前に働き始めた自分は昇給もあったし、お給料は少し自分が良いくらいかな？と思っていました。その後も何人か中途で入職して来ました。この頃にはお給料の事なんてすっかり忘れていたのですが、他のスタッフから「聞いた？中途で入って来た人たち、うちらより基本給良いらしいよ」と聞いたわけです。で、情報収集したところによると1～2万円くらいの差があったんです。
ケチだなーそれくらい。と思われたかも知れませんが、この差は昇給を繰り返しても縮まないんです。しかもその1万円の昇給まで自分やエージェントを通さないで入職した周りのスタッフは数年も費やしたんです。
その人に目くじらをたてたわけではなく、エージェントを使わなかった自分に後悔しましたね。
そこから数年後、またしても学ばない私は自力で転職しました。
面接も終わり、提示された総支給額だけを見て転職を決めてしまったのも間違いでしたが、同じ病院で先に働いていた後輩が「交渉にもよるけど生活に余裕が出るくらいは貰ってる。給料面での不満は無い」って言っていたので後輩でそれくらいなら大丈夫と安心していて、ちゃんと内定通知書を見なかったんです。
ちなみに後輩は慢性期と一般内科の経験が数年、エージェントを通して転職していました。眉犬先輩は救急外来や一般外科、内科、ICUの経験があったので、自力で転職活動をしても後輩よりも基本給が低くなるとは思いもしなかったのです。
完全に驕っていたわけなのです。
採用条件の書類が送られて来て、サインする段階になって自分の基本給が過去一で低くなっている事に気づきました。
夜勤専従で申し込んでいたので、そりゃ基本給が低くても予定総支給額は高く提示されているわけです。
時すでに遅しとはこの事だと身をもって知りました。
その採用条件書にサインする段階と言うのは『口約束で採用条件のOK はもらったけど書類に残すからサインしてねー』と言う段階だったので、もう交渉の余地は無い状況だったのです。
これは何年も後悔した事例でしたね。
この時ほどエージェントを通せば良かったと思った事はありませんでした。
エージェントも万能ではない
転職エージェントは企業や病院と求職者をつなぐ仲介の役割です。
世の中需要と供給のバランスがあるように、職場においても需要と供給があります。
企業や病院は、より良い優秀な人材をなるべく安く雇いたいのが本音ですよね。対照的に看護師は、より自分が活躍できそうな所で、より良い条件で働きたいですよね。
その需要と供給のバランスの丁度良いところで交渉してくれるのがエージェントです。
ただしエージェントからすれば、どちらもお客さんなんです。無茶な交渉はできないですし、無理な要求はできませんのでここは注意したいところですね。
転職エージェントを使って転職すると、企業や病院からエージェント会社に入る報酬は数十万と言われています。個人にも歩合がつく所が多いので、中にはとにかく転職する事だけを目的にして親身にサポートしないエージェントも居なくはありません。希望を言ったのに、全く希望に無い職場を紹介されて、電話口で断ったら態度が急に冷たくなった担当も居ました。良い人だけどちょっと合わない担当も居ます。これは今まで私が出会った残念なエージェントですが、その会社に在籍しているエージェントがみんなこのような人だけでは無い事は理解しておきたいところですね。
エージェントも人間なので、色々な人がいるのも確かです。
ちょっと・・・と思う場合は、担当を変えてもらう事もできますので、担当者の当たりが悪かったからと言って転職活動で萎える事はありませんよ。
医療者・看護師に特化したエージェント会社が良い理由
看護師が転職するなら看護系や医療系に特化したエージェント会社を使う事がポイントです。
大手の看護系エージェントと一般の求人の中で看護系求人も取り扱っているのとでは中身が全く違います。
こちらが言いたい事や希望を理解してくれるのも早ければ、求人のミスマッチが少ないのも特化しているからこそです。
看護系エージェントは、看護師の業務や時間のサイクルを分かってくれていますし、登録の後のヒアリングでも都合の良い時間を当たり前のようにい聞いてくれますので、夜勤前に電話で起こされるなんて言う事はないでしょう。
眉犬先輩も一般の求人サイトから応募して、折り返しが昼の10時だった事がありました。
普通なら常識ど真ん中の時間ですが、看護師の睡眠時間は昼と夜が逆だったりもして個人によって違うことが多々ありますよね。
看護系に特化したエージェント会社であれば、都合の良い時間以外で連絡が必要な時には前もってメールするなど配慮してくれるところが多いのです。
お給料と仕事内容のバランスや求人の人気の傾向なども分かっているので、ちょっと希望には無かったけれど、こんな所もある、希望者が多くなっているこんな求人もある。など自分の想像の範囲以外であっても、もしかしたら合いそうと思われる求人を紹介してくれる場合があります。非公開求人や職場の雰囲気、上層の人柄など営業で培われた情報が多いのも特化型エージェントならではの魅力だと思います。
だからこそ的確なアドバイスや履歴書の添削をする事ができて、転職がうまく運ぶようにサポートしてくれるのです。
